私たちの暮らしの安全を支える技術。普段は意識することはありませんが、それは生活に欠かせないものです。大豊建設株式会社はダム、橋梁、地下貯留施設など、確かな技術力で暮らしを支えるインフラを作ってきた企業です。
例えば近年、都市インフラの課題の一つである「都市型水害」の対策にもその技術が生かされています。アスファルトやコンクリートで覆われている都市で、行き場を失った雨水は、地表に溢れて都市機能を麻痺させます。その「都市型水害」から都市を守るのが地下にある貯留施設です。
しかしその技術力に生活の中で触れる機会はあまりありません。当社では今回、東京の地下30メートルにある貯留施設を舞台に、都市型水害から暮らしを守る大豊建設の取り組みを伝えるための「アンダー・リバー」というコンセプトメイキングから、1分間でわかるココンセプト動画と、興味を持った人がさらに深く情報を知るための特設サイトを制作しました。
クリエイティブ制作にあたっては、これまでの企業イメージにとらわれず、見た人の興味を引く印象的な表現を意識し、地下構造物や巨大重機の魅力を伝えています。
東京の地下に広がる無機質で幻想的な地下空間
地下空間へ繋がる縦の大穴と配線だらけの現場、直径6メートルの無機質な巨大トンネル、トンネルを掘り進める巨大シールドマシン。動画とWEBを制作するにあたり現場を見せて頂いた時、その構造物やマシンの姿に圧倒されました。
東京を水害から守る巨大地下トンネル。照明のない真っ暗な空間は、音も光もなく進んでいくと足音ばかりが響きます。暗闇の先がどうなっているかが全然分からない。冷たくて、静かで、神秘的で、さっきまで歩いていた東京の街とのギャップを感じます。
キラキラした東京の街の地下には、無機質でどこか幻想的な地下空間が広がり、都市機能を守っている。現場を見て素直に感じた「かっこいい」や「幻想的」を中心に企画を構成しました。
普段は目に触れることのない縁の下の力持ちをグラフィックで魅せるWEBデザイン
今回は縁の下の力持ちを主役に、グラフィックの表現にこだわりました。
フォトグラファー田村雄介さんのスチールをメインにWEBサイトをデザイン。地下から上部へ上がっていくオープニングアニメーション、サイドにある深度メーターなどで東京の地下を印象付ける設計にしています。防災・減災のために活きている空間や技術を、グラフィックから興味を持って知って頂く機会をと制作しました。
WEB:https://www.daiho.co.jp/underriver/
地下深くに現れる幻の川を軸にストーリーを構成したムービー
都市機能を守るために雨水を地下に流す空間、つまり大雨の時にだけ利用される空間です。
それを「地下深くに現れる幻の川」と定義し、ストーリーを構成しました。大豊建設の得意技術であるシールドマシンが地下を掘り進めるシーンや水が地下に流れ込む様子をCGで制作。RECOの勝村紀昌さん、伊藤瑞希さんとともに地下を印象的にする映像表現にこだわりました。都市を支えるソリューションと、それを可能にする技術力を多くの人に見て頂きたいと思います。
URL:https://www.youtube.com/watch?v=YChb7kLMJOI
TEXT:横山ふみ